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2011年2月2日-「蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH」

3 2月

映画『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』の感想:

本作品は2007年に放送されたTVアニメシリーズ『蒼穹のファフナー Dead Aggressor』の続編映画だ。
私自身この『蒼穹のファフナー Dead Aggressor』をリアルタイムで見たわけではなくおととしDVDで見たのだが、設定が斬新で必ずしもは幸福とは言えない内容に惹かれた。後にTVシリーズのプレリュード的な内容でOVAとして『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』がリリースされたが、こちらの方がもっと悲しい内容だった。

まず、『蒼穹のファフナー』の概要に触れておこう。

「竜宮島」と呼ばれる島が主な舞台となる。
ここで暮らす日立は平和を満喫しており、子供たちはおもいっきり学校生活を満喫していた。ただ一点島を出ることが出来ないという点を除いて。
島の外の世界を知らない子供たち、決して島の外のことを語らない大人たち。それは地球人類がとてつもない状況に陥っていたからだ。
突如現れた謎の生命体「フェスティム」の侵攻を受け、外の世界では人類対フェスティムの熾烈な戦いが繰り広げられていたのだった。

ついに竜宮島にもフェスティムの侵攻が及び、事実を知った子供たちが唯一フェスティムに対抗出来うる力「ファフナー」に乗って戦うこととなる。
戦いは苛烈を極めた。戦いの中散っていく子供・フェスティムに同化されてしまう子供・フェスティムと同様の力があるファフナーに同化される子供、そしてついに最終決戦「蒼穹」作戦が行われた。

本作品はこの「蒼穹」作戦の2年後を描いた作品だ。
「蒼穹」作戦で生き残った竜宮島の子供たちは平和を取り戻したかのように見えた。
しかし、人類軍が「蒼穹」作戦後に行ったフェスティム掃討作戦をきっかけに、対話へと変わろうとしていたフェスティムが新たなる力を身につけ再度の侵攻を開始する。

竜宮島を目指す新たなるフェスティム部隊、れ竜宮島に新たなる人型のフェスティムが送り込まれると同時に、それとは別の大部隊が侵攻する。
子供たちは再びファフナーに搭乗し、迎撃する。しかし、新たに人類側の武器と戦法を見つけたフェスティム部隊は以前よりも強力になっていた。
苦戦する竜宮島。そこへ送り込まれた人型フェスティムが覚醒する。

来主 操・人型フェスティムは言う。
「戦いたくはない、降伏して竜宮島のミールとコアを受け渡してくれ」

今回はフェスティムとの戦いもさることながら、「対話」が主となっている。
対話をすることで世界の良さ・命の尊さ・意思の尊さをフェスティムに伝え戦い以外の道を模索する。
この映画のメッセージはここにある。

それとTVシリーズとは異なる点がある。
今回はだれも犠牲にならないし、誰も同化されない。そしてラストはハッピーエンドで終了する。

おそらくは本作で『蒼穹のファフナー』シリーズも終わりであろうというエンディングになっている。

内容もなかなか惹かれるものがあり良い出来だったと言えるだろう。

ただ、惜しむべきことがある。
「劇場版 機動戦士ガンダムダブルオー」と内容が丸被りになってしまった。
しかし、 TVシリーズから知っているのでこれは確実に言えるのだが、決してガンダムダブルオーの真似ではない。
数点ダブルオーと事なている点がある。

あちらの人類は『イノベーター』という人類が純粋に進化した形式だが、こちらは『フェスティムの因子を持った子供』いわば人為的に作られたという設定。
また、乗ってる機体も、あちらは言わずと知れたガンダム、こちらはこれまた『フェスティムの力を取り入れた』と言う機体「ファフナー」
あとは、あちらは未知の生命体『エルス』との対話に成功し共存だが、こちらは『フェスティム』との対話の第一歩が踏み出されたというところでとどまっている。

最後にこれだけは言っておこう。
内容は被っているがファフナーにはファフナーの良さが存分に出されており、見て損したということはなかった。
主題歌の「angela」が歌う「蒼穹」もいかにも「angela」らしい、ファフナーらしい歌でぴったりとはまる。
あまり有名なアニメではないと思うが名作だと私は思う。